気の抜けぬ母の看取りや去年今年 ひいづ
去年今年借りたる本を読み急ぐ  柳影
晴着着て新年会の余興かな    辰也
人垣の二重三重獅子舞来     恵子
手づくりの年玉袋墨匂ふ     元二
雪霏々とひねもす暗き北の国   春生
一杯のお神酒頂きどんど待つ   周雄
ドアボーイ最敬礼の御慶かな   明美
築山は一面苔や実万両      静子
休日の続き都心に星冴ゆる    道子

搗きたての見様見真似の供え餅  三重子
新しい楽譜うれしい初稽古    智
氷柱垂る崖の真下に不動尊    倉太
棚整理本箱整理日脚のぶ     幸子
雪解けて等身大の陶狸      志峰
明るさに窓を覗けば夜半の雪   英子
群馬より墓参の報せ阪神忌    日田路
天竜の流れは緩き春を待つ    信行
神体と仰ぐ大滝涸れ知らず    宣子
四阿でトランプ遊び日脚伸ぶ   隆雄


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