留守居して午後の紅茶や昼の虫 豊治
書斎とは名ばかりなれど灯親し 瓔子
酌み交す間に枝豆の莢の嵩 和子
秋澄めり湖一望の白鬚社 喜代子
講習のガーデニングに昼の虫 静子
蓑虫のところ構はずドアにまで 淑子
虫の闇當駅止まり終電車 直之
時無しの湖北の雨や芋水車 あきひろ
トロ箱を落ちし秋刀魚は蹴飛ばされ 斉
鳴き止みし虫のひそむはこのあたり 領一



露の世の夜の闇暫し見つめをり 柳影
道標は旧仮名使ひ曼珠沙華 宣子
こおろぎのボイラー室で鳴きつづく 倉太
爽やかや作務衣姿で座禅組む 厚子
縁側に立つや月光満身に 節江
横臥して糸瓜棚見る子規病間 周雄
灯ともれる渡り廊下に虫を聞く 明美
人恋しメールを交はす長き夜 智
川沿ひの道はいつしか虫の秋 道子
もつれつつ疎水に遊ぶ秋の蝶 ひいづ


9月2010
   
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