古戦場跡とて柳散るばかり    喜代子
献上の稲を残して刈られをり   多美子
行き先は出てからのこと天高し  智
御会式や耳を聾する鉦太鼓    周雄
錦繍の山光背の我が家かな    裕子
海峡を跨ぐ吊橋天高し      辰也
身に入むや園に空き缶つぶす音  ひかり
柿たわわツリーのごとく支えなく 厚子
気兼ねなき客や山盛茸飯     節江
過疎すすむ終の住処に秋の風   春生

天候の不順に梨の青きかな    三重子
酒飲めぬ子の送りきし今年酒   元二
紅葉山翡翠の湖に倒立す     嘉宏
西伽藍東伽藍や鳥渡る      英二
鉄塔の続く家並を鳥渡る     宏治
棹かざす空の青さや柿熟るる   桂伸
柿を干す山なす皮も拡げ干す   みどり
み寺訪ふ飛鳥の里の秋深む    千枝子
母偲ぶ野良着姿の案山子かな   宣子
薀蓄を傾けてをる菊師かな    隆雄


10月2012
   
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/