秋気澄みおだやかなりし明石の門     和子
一陣の風に光るや花芒               倉太
風に揺る丈余の萩の大らかに         喜代子
信玄の終焉の地なり葛の雨           泰子
街騒を隔つ竹林昼の虫               ひかり
熊野へと続く樹海や霧のぼる         真千子
社務所とはただ名ばかりぞちちろ鳴く 多美子
乱秩に埋もれて灯下親しめり         裕子
化粧井戸囲む竹林今し春             ひいづ
さほどには飛沫飛ばさず芋水車       あきひろ

虫浄土藤ノ木古墳ひと廻り        尋嘉
虚子立子句碑に横川の虫すだく    由紀子
返信は絵文字一つよ爽やかに      淑子
無造作に活けてこそよし草の花    元二
集まりは酒が目当てや月今宵      嘉宏
旅立ちの夜はしきりに地虫鳴く    公平
世を忍ぶかに一輪の思草          宏治
箸の手を休めちちろに耳澄ます    カネコ
湯気の立つ飲み物恋し白露かな    晴子
喫茶店釣瓶落としに立ち寄らず    英二


9月2015
        
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