青空に浮かぶ初花二つ三つ    周雄
冨士見ゆる丘一面の花菜かな   泰子
低き軒並ぶ町屋へ花吹雪く    道子
遊歩道夜の花見を禁じをり    和子
小回りのきくバス花の島巡り   静子
宮島や戸口戸口に花馬酔木    みどり
藤棚の陰にと寄れば香にむせぬ  淑子
放す牛食べ放題や草若葉     直之
国分寺跡てふ一碑飛花落花    尋嘉
一年生真ん中にして登校す    ザザ虫


菜の花や岬めぐりのバスは空   好博
詠み人の知らぬ歌碑立つ道おぼろ 英二
おしゃべりに夢中の媼ら花を見ず 広治
単調な車窓の景色春眠し     操
春の宵読まねばならぬ書ありて  信行
自適とて日永に無聊託つ日も   豊治
青空の頭上遥かに囀りぬ     留美子
雨止みていつのまにやら夕蛙   倉太
ふらここは愉し座板は狭くとも  千里
名にし負ふ九十九里浜松の蕊   元二


4月2016
        
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