顔見世に誘はれ急遽旅支度         裕子
足元に栗鼠の来てをり冬木立       章子
賀状書く昔筆ペン今パソコン       広治
大掃除久しき失せ物見つかりぬ     厚子
宮島の護符を祀りし牡蠣の小屋     みどり
博物館要の松や菰を巻く           ひいづ
水涸れて杉亭々と奥秩父           宏治
着ぶくれて鏡をみれば母似かな     とめ子
棟梁の耳の鉛筆日向ぼこ           泰子
着ぶくれて暇もてあます古都の車夫 尋嘉

冬の海荒れて漁師の網手入れ      ザザ虫
初雪のニュースに憂ふ被災の地    周雄
島原の子守唄聴き炉に涙          由紀子
早早と聖樹飾られ子沢山          元二
学生の甲板作業布団干す          公平
担がれし畚に山盛り納札          英二
これがまあ喰ひ納めかや晦日蕎麦  好博
吟行の冷えに鍋焼きうどんかな    ひかり
扉の開くたびに冷風十二月        サダ子
どの鳩が鳴いてをるやら日向ぼこ  千里


12月2016
        
1 2 3
4 5 6 7 8 910
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/