彦根周辺吟行(3)          古谷彰宏

 

龍潭寺(りょうたんじ)

 JR 彦根駅 西口(琵琶湖側)から、徒歩約30分。タクシーで¥800程度。
臨済宗妙心寺派・旧彦根藩主井伊家菩提寺。石田三成公の佐和山城があった佐和山山麓にある。佐和山城址へのハイキング・コースの入口にもなっている。


全国有数の禅宗大学寮として栄え、「園頭科」は日本の造園専門学の発祥とされ、ここで学んだ僧が全国の禅寺の庭園を手がけた由。
 庭園では、枯山水(方丈南庭「補陀落の庭」)・池泉廻遊(佐和山を借景)・露地庭(樹齢四百年の沙羅など)が有名。 鐘楼脇の枝垂桜、茶室横の沙羅の花(6月中旬「夜の庭園と沙羅を見る会」、紫陽花、芙蓉、紅葉など。
 方丈には、井伊の赤備へと呼ばれる赤い鎧など、井伊藩に関係する数々のものが並んでいる。

 
  特筆すべきは、俳人で芭蕉の絵画の師でもあった森川許六の襖絵が、56枚方丈を飾っている。狩野派に学び、芭蕉が学んだ許六の絵画を、是非、鑑賞して頂きたい。
芭蕉の「許六離別の詞(柴門の辞)」から、許六の画に関する部分を抜粋する。

 今年5月の初め、深川に別れを惜しむ。その別れにのぞみて、一日草扉をたたいて、終日閑談をなす。その器(許六)、画を好む、風雅を愛す。予こころみに問ふことあり。「画は何のために好むや」、「風雅の為に好む」と言へり。「風雅は何のために愛すや」、「画の為に愛す」と言へり。
  その学ぶこと二つにして、用いること一なり。まことや、「君子は多能を恥づ」といへれば、品二つにして用一なること、感ずべきにや。
画はとって予が師とし、風雅は教へて予が弟子となす。されども、師が画は精神徹に入り、筆端妙をふるふ。その幽遠なるところ、予が見るところにあらず。余が風雅は、夏炉冬扇のごとし・・・・・。
 

行く春を近江の人と惜しみける  芭蕉

十団子も小つぶになりぬ秋の風  許六

湖の彼方を指しぬ翁の忌     紫峡

合戦の赤き鎧やお風入      秋子

 補陀落の庭へ降りよと道をしへ  彰宏 

 

平成16年10月

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