彦根周辺吟行(4)          古谷彰宏

 

大洞弁財天(長寿院)

  彦根駅西口(琵琶湖側)から徒歩約35分位(タクシー ¥1000程度)。
龍潭寺から少し先の小高い所まで坂道を登る。(タクシーで彦根駅から来る場合は、まず大洞弁財天に来てから、龍潭寺へ坂道を下ると楽)

  佐和山に連なる大洞山の中腹にあり、彦根城の鬼門除けで非常時の出城を兼ねる藩寺。
  三代将軍家光が家康を弔う為に日光東照宮を造営する際、総普請奉行を仰せつかったのが四代井伊藩主で、近江大工が多数参画。日光東照宮の普請終了直後、藩主は、建築造営彫刻技術などを近江の職人達に伝承させる為に、東照宮に似せた弁財天堂を造営したとされる。

  長い石階上の楼門から、門の額縁の中に、遠く彦根城が収まる様に見える。
ほととぎすを聞きながら琵琶湖からの涼しい風が心地良い。石段の下、JRの踏切りを渡った所に舟着場跡がある。終戦前後に埋め立てられ今は畑や民家だが、それ迄は松原湖という内湖があり、当山と彦根城の玄宮園との間、或いは琵琶湖畔の御浜御殿との間を、藩主が舟で御参りに往来した由。湖東一番札所でもある。

鬼門除けなりし霊場ほととぎす  彰宏

ふたたびの松蝉待たず札所去る  

 

  境内は広く校倉造りの宝蔵や阿弥陀堂などもある。彦根日光と呼ばれる権現造りの弁財天堂や阿弥陀堂の欄間等に、日光東照宮の様に精巧な彫刻・・・眠り猫・龍・象などが見事。和合の象の彫刻に近江職人の匠の技を感じる。

  弁財天堂には、三大弁天とも言われる弁天様が祭られている。惜しむらくは、天井画は真っ黒に煤けている。諸堂のある堂裏から佐和山への登山口となっている。   

堂裏は切立つ崖や藤垂るる  彰宏  

 尚、この周辺には、井伊神社、清涼寺などもある。

平成16年10月

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