第147回 虹の会 三依吟旅  

2025年6月20日/21日  


参加者11名
天気
宿泊そばの宿まるみの湯


宿泊地近くの風景

前回の吟旅に引き続き東武電車を利用した。下今市から鬼怒川温泉に向かうルートで更に野岩鉄道に乗り入れており、水生植物園のある上三依塩原温泉駅まで浅草から直通の特急で3時間弱である。
駅から植物園までは徒歩で10分程度、宿はひと駅戻って中三依温泉駅から徒歩10分程度。ツーリングなのかバイクやスポーツカーが時折爆音を響かせる他は長閑な山間の集落である。

第1日目

   

上三依水生植物園
◇初めての三依、栃木は近いのに、こんなに良いところを知らなかったなんて・・・。 お天気にもめぐまれ山深い上三依の水生植物園、鳴き続けていた春蝉?松蝉?の声が印象的でした。 (千里)

◇水性植物園では珍しい蛇苺が試食でき思わぬ経験でした。(三重子)

◇大自然に囲まれ、花に出会え心が豊かになる吟旅でした。 (晴子)

◇街騒を越えての山深き水生植物園、澄み切った大気に洗われた。せせらぎの音、松蝉の声時折の鶯の声の交じり咲く花々は桃源郷と言わしめる程。(とめ子)



 

黄色九輪草

一里塚
◇旧会津西街道の一里塚の一対になっているのが珍しい。(瓔子)

◇脇街道の一里塚や野仏など街道筋に残る貴重な史蹟も心に残った。(章子)

◇一里塚といって碑が立っているわけではなく、築山よりやや小さい程度の山だった。言われなければ分からない。(淑子)

第1回句会 伊藤瓔子主宰吟

まろうどに三依の河鹿美声張る
九つの実を結びたり九輪草
木道の隙間突き出し夏の草
夏草や一対をなす一里塚
京鹿の子この古民家が今日の宿

第1回句会 伊藤瓔子主宰選

老鶯や旧街道の一里塚 椿
清流の音なく過る九輪草 宏治
水生園野良着の案山子出迎へて 千里
木下闇社に古りし千羽鶴 千里
梅雨曇SLの音の高鳴りぬ 千里
街道の古き野仏朴若葉 章子
駅暑し案内板は大雑把 椿
軋みたる木道囲む麒麟草 昌子
石仏の面立ち厳し木下闇 三重子
屏風立つ青嶺を前に山の駅 章子

第2日目



湿生園
◇清浄な空気の下、会津三依の朝散歩は殊の外楽しかったです。(昌子)

◇夜には鹿の鳴き声が聞こえたそうだ。湿生園には幅の広い木道が張り巡らされている。(淑子)

◇宿のすぐ近くに広がる湿生公園も吟行には距離も丁度良く句材もたっぷりでした。 (千里)

◇くるみの花を始めてみた。珍しくて触れてみると意外にも固く感じられた。(瓔子)

◇くるみの花房が垂れ、青い実はびっしりなっていた。胡桃は熊の好物、熊の姿を見ることもあると聞く。 (宏治)

沢胡桃の花

石臼コーヒー
◇珈琲店で豆の石臼挽き体験も楽しかったです。(三重子)

◇散歩の後のコーヒーの水は直ぐ近くの湧き水とのこと。コーヒーに付いてくる山菜のおつまみも美味しかった。 (淑子)

◇宿の蕎麦も二種の食べ比べの体験ができ美味しかったです。 (晴子)

◇お蕎麦づくしの食事も美味しく楽しい吟行でした。(椿)

◇「みより蕎麦」は冷たい蕎麦を、温かい具入りのたれにつけて食べるもの。夜は「もり蕎麦」二種食べ比べ。 (淑子)


みより蕎麦


第2回句会 伊藤瓔子主宰吟

子と遊ぶ駐在さんや梅雨晴間
朝散歩くるみの花は千の房
薫風や卒寿の店主豆を挽く
木道をめぐらす園や花あやめ
爆音のバイクの速し山滴る
松蝉を聞く朝風呂の至福かな
夏霧の晴れゆくを見る湯浴かな

第2回句会 伊藤瓔子主宰選

川風や瀬音涼しき男鹿川 章子
犬小屋も簾掛けをり里の家 晴子
湧水の汲み場のあたり蛇苺 とめ子
石臼でコーヒーを挽く避暑の宿 淑子
夏の炉を囲み談話の吟行子 三重子
栗の花村に一つの診療所 章子
老鶯の正調節を聞けとこそ とめ子
犬猛るマーガレットの花越しに 千里
梅雨の星一つまたたく湯の帰り 宏治
朽ちさうな木道に落つ夏落葉 三重子
朝湯出て夏至の日の出の山端より 椿
桑の実を順に味はふ吟行子 淑子
避暑散歩話し好きなる村の人 淑子
名水の里の葉山葵土産とす 章子

 
参加者のひとこと
梅雨の季節だったが、お天気に恵まれ絶好の吟行日よりとなった。 (晴子)
駅前の大銀杏の枝ぶり高さすごかったです。夕食後の漆黒の闇には、おどろきました。 別棟の湯処までは、野生動物がでるかも知れないので、一人では行かないようにと釘をさされました。 (とめ子)
「まるみの湯」、ご家族の温かいおもてなしと温泉、又出会った村の人達の優しさに触れた旅となった。 (章子)
村の人の優しさにも癒されました。 (椿)
三依は旧街道沿いの山間の宿場だが、今はすっかりさびれた過疎の町。それだけに山青く水清くあたりの自然はまことに豊か。存分に田舎の空気を吸って若返る思いでした。(宏治)
句友に引っ張られて楽しく有意義な日々でした。お世話役さんのおかげです。有難うございました。(加容子)