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近詠




小鳥来る

虚子句碑に時を過ごせば小鳥来る

瀬しぶきの耳をつんざく簗の秋

日当たれるコスモス恣に描く

飛蝗追ふしまひに帽子かざし追ふ

飛石にかぶさる萩を括らねば

一茎はいまはの朱色曼珠沙華

補聴器に風のささやく秋思かな

     ひいらぎ二月号より転載 

 


絵 阿波野青畝 「私の俳画集《より パリにて
     

思うこと

ひいらぎ2月号 〈思うこと 連載362〉転載

物が見えるまでの辛抱

 昭和三十一年七月十五日から十七日まで二泊三日、千葉県鹿野山神野寺にて開催された稽古会に参加した際、高濱虚子先生が広い寺の庭に作句されていた姿は今も印象深く思い出される。
 虚子師は籬の前に佇み微動だにせず、何かを見つめておられる姿は、後ろから眺める私には巌のように思えた。
  蜘蛛に生まれ網をかけねばならぬかな   虚子
 そのときの句会に虚子師が出句されたこの句により、籬に網を張る蜘蛛をじっと見ておられたことを知った。

 俳句が出来ないからと、何か珍しいものを見に出掛けたり、吟行旅行をして物を見付けようとしている人が多い。物だけを写して写生俳句であるというのは誤解である。
 作句するときは、心を無にして、目に飛び込んで来る 物が見えてくるまで(感動するまで・心に響くまで)辛抱する姿勢が大切である。
        






小路紫峽主宰
NHK学園主催 郡上市水とおどりの里俳句大会にて H21.8.9

小路紫峽略歴



1926年12月24日 広島県呉市に生まれる

 

1942年 宇部中学在学中「ホトトギス《に投句

 

1952年 阿波野青畝の指導を受ける

 

1961年 「ホトトギス《同人に推薦される

 

1962年 「かつらぎ《推薦作家選考委員となる

 

1980年 「ひいらぎ《主宰となる

 

1985年 「ひいらぎ《発行所を伊勢市より神戸市に移す

 

 

 

俳人協会吊誉会員・日本文芸家協会会員

 

兵庫県神戸市灘区在住
 

句集紹介

第一句集「風の翼《
第二句集「四時随順《
第三句集「遠慶宿縁《
第四句集「石の枕《
第五句集「夏至祭《

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