畑仕事終へて背伸びや天高し     たけし
城址いま鳥の楽園木の実降る みどり
醍醐寺の老いし松にも新松子 一宏
大石邸長屋門内柿熟るる 尋嘉
包丁の刃を庇ひつつ栗をむく 斉
病院の裏門あたり末枯るる 元二
温め酒染みる今宵となりにけり 拓水
歌塚と知るや知らずや小鳥来る 宣子
譲りあひ足湯に並ぶ紅葉冷 順子
団栗を踏みて下山の夕間暮れ 直之
 

鳥渡る思いのほかの早さかな     とめ子
呼び込みの袴姿や文化祭 静子
色づきてそれと知りたる烏瓜 嘉弘
百舌高音電話の鳴らぬ日が暮れぬ 継鳥
ほほかぶり仲むつまじく稲を刈る 厚子
角切られたる鹿に寄る小鹿かな あきひろ
日の暮れの影の長さや秋深む 三重子
鵙高音古墳の杜の木の間から 倉太
ここかしこ猪のぬた場や高野みち かもめ
湖染むる落日見むと登高す 明美


10月2006
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