玉ささげ鬼のひた泣く涅槃変   多賀子
紅梅の色濃き蕾まだ堅し なぎさ
冠水の痕跡残し下萌ゆる 柳影
雲覆ふ富士の裾野に雪残る   斉
幹に苔纏ひし梅の真白かな みどり
春待つや壁にリハビリ予定表 由紀子
赤鬼を打つ碧眼の年男 道子
鯨尺並ぶ露店や針供養 かもめ
大声の若き介護師豆を撒く 裕子
針供養わけても長き畳針 嘉弘

万葉の歌碑に影置くしだれ梅      千枝子
針もたぬ娘は着飾つて針供養 智
豆撒きに酒くみかはす鬼溜まり 春生
ミス奈良の撒く豆吾を避けるかに 尋嘉
「潮加減良し」と戻り来若布刈舟 あきひろ
自販機に買ふ点茶券梅寒し 操
似顔絵の眉も凛々しき茂吉の忌 直之
紅梅の一輪二輪と朝ごとに 厚子
らんまんの梅すずなりの雀かな 一照
ゴルファに踏まれながらも下萌えぬ 宣子


2月2007
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