漱石の足跡辿る木下闇          信正
薫風裡笑顔の集ふ旅となり 留美子
大漁の潮嗄れ声や南吹く あや子
猿の出て薫風の窓閉じにけり とめ子
めまとひに合掌の手を解かれけり道子
面伏せて密談めきし草取女 静子
雨上がり腰丈ほどの草を引く 厚子
梅雨の街くらげめきたる傘の群 倉太
青芒筑波嶺遠く晴るるかな 一弘
厨より弾むソプラノ立葵 志峰

船着場浜昼顔の咲くあたり      智
瞑想の暁天坐禅ほととぎす 斉
鉛筆の書き味悪し梅雨じめり 柳影
夏蝶や標高千の風に乗る 怜子
八橋を行くや目纏払いつつ 裕子
車窓なる美瑛の丘の夏の雲 三重子
藻の花や石橋多き宿場町 拓水
安曇野の雨にも飛ぶや恋蛍 あきひろ
手作りの小さき箱舟蓴採る 和子
古時計刻打つ庫裡や黴匂ふ たけし


6月2007
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