絶好のお出掛け日和文化の日    嘉宏
解禁日蟹の旗たつ駅混みぬ     明美
口まるく開けて唄ふ児縁小春    和子
休日の列車運休冬に入る      幸子
日の差して白さざんかの寂しからず とめ子
花石蕗の路地に名残の井戸ポンプ  忠利
異人墓地見下ろす丘の帰り花    隆雄
干し物のからりと乾く小春かな   みどり
ご利益はさほど願はず神の留守   晴義
装束の折目正しく神迎ふ      修三



城郭の如き別院親鸞忌       由紀子
淀君の墓標のあたり雪婆      かもめ
裾野まで続くがごとき大根干し   智
いつの間に消えし漁火鷹を待つ   あきひろ
たんぽぽの返り花して異人墓地   多賀子
築山の日当たるところ返り花    一宏
改札を出れば北山しぐれかな    道子
商店街朝一斉に落葉掃く      ひいづ
境界石落葉に赤き十文字      操
落葉急狭庭を埋む色とりどり    尋嘉


11月2010
   
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