北窓を開けて遺品の塵払ふ       裕子
合併の御破算となり山笑ふ 修三
乳離れせし嬰に木々の芽吹きけり 雅紀
橋一つ渡り陽炎ふ村に入る 忠利
座禅会一服のお茶暖かし 厚子
磨崖碑の割れ目を這ひし地虫かな 尋嘉
被爆樹の一世二世芽吹きけり みどり
通し矢の風切る音や芽木の宮 倉太
水底に亀の歩きて水温む 千枝子
反り橋の下を屯す流し雛 幸子

杭を打つ音に驚き地虫出づ       隆雄
春雨や古社燈篭に灯の明り 正勝
耕せり腰痛ければ腰伸ばし 元二
水温む鯉の動きの鈍からず とめ子
木々芽吹き萌黄色なる仏母山 かもめ
童心に返りぺんぺん草鳴らす 節江
春泥や菰を敷きたる園の径 辰也
北窓を開く遠見の富士晴れて 桂伸
登り来て城址に佇てば木の芽風 喜代子
大空に金粉散らす土佐水木 周雄


3月 2011
   
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