甲山まこと兜や星月夜            智壽子
法要のすみて円座にすいか食ぶ  とめ子
提灯のあふるる町や地蔵盆    喜代子
快く過ぎたる一日星月夜     カネコ
初嵐ひつくり返す庭の鉢     桂伸
盆休み客も電話もなかりけり   周雄
終戦忌その日の句会まづ黙祷   ひいづ
小気味よく鳴り出す樋や白雨来る 操


かなかなや瑕瑾なかりし峡の空    智壽子
色剥げし仁王の像や秋暑し    倉太
病棟に願ひさまざま星祭     幸子
天の川一軒宿の灯が遠く     瓔子
輪になつて老いも若きも盆踊   みどり
受け継ぎし父の硯を洗ひけり   千里
極楽のあまり風とも盆座敷    豊治
新涼や滲みほどよきくづし文字  柳影



8月2019
        
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