千年の樟のさやげる五月かな 智壽子 風清し京の老舗に軒菖蒲 道子 薔薇の香の風にそよめく白髪かな 操 仏前に先づはどうぞと新茶かな 元二 万国旗めける広場の鯉幟 淑子 捨てがたく時代遅れの更衣 三重子 武具飾る一刀彫の老舗かな 喜代子 軍港や幟旗めく星条旗 公平 合掌の小さき石仏ねじればな 宏治
くろがねの二見の巌に卯波寄す 智壽子 馴染めざる破れジーパン夏来る 幸子 薔薇園や声かけがたし句作の師 舞 母の日に届くフアックス感謝状 ひいづ ベランダに珈琲香り夏は来ぬ 信行 鯉のぼり天孫降臨誇る里 眞千子 変色のポスター残る町薄暑 英二 湾巡る遊覧船に鯉幟 隆雄 新緑を愛づ長谷寺の舞台かな 瓔子
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