寺町は城郭めきて松の芯     由紀子
なにはさて弁当ひらく花の下   宏治
腰痛を忘れて子等と潮干狩    裕子
床屋出てひと駅散歩春の宵    元二
釣人の浮子の小揺れや春の風   桂伸
伝馬船水脈引く行く手春の潮   千里
古都奈良や訪ふ寺々に花御堂   尋嘉
御読経の子守歌めく目借時    公平
春の空胡粉で描きしやうな富士  瓔子
職退いて図書館三昧春の昼    淑子


満開の花や御座船出番待つ    ひいづ
落柿舎へ続く細道揚雲雀     広治
災禍にもよくぞと咲きし花を愛づ 幸子
石仏の庇となる枝花は葉に    晴子
檀林の庭を我が物蛙鳴く     操
麗かや保育児溢る箱車      領一
夜桜やホットワインに酔ひ心地  章子
みどりごは花にも覚めず熟寝かな 舞
供華にせん切り花用の種を蒔く  とめ子
春うらら手を振る御子の笑顔かな 信行



4月2021
          
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