月よ聞けわがふるさとの踊り唄 智壽子
待ちわびし恵みの雨や今朝の秋 章子
火の粉散る手筒花火を抱く勇姿 晴子
盆用意母の教への生きてをり  千里
半円の高原の空星月夜     操
墓参終へ五条坂なる陶器市   ひいづ
はらからと囲む線香花火かな  公平
白木槿ひと日を映えて地に結ぶ 桂伸
氏神へ常の一礼涼新た     宏治
帰省すや母の小さくなられしか 隆雄


かなかなや瑕瑾なかりし峡の空  智壽子
誰も見て呉れぬ朝顔とはなりぬ  幸子
家疎ら銀河が照らす田舎道    三重子
「街灯の無い町」誇る天の川   淑子
降り立てばそよ吹く風の秋めきて 元二
石庭に響く小流れ秋さやか    周雄
鈍行を乗り継ぐ帰省懐かしき   広治
流星を見むと灯を消し空仰ぐ   和子
かなかなは山の言霊かも知れず  柳影
宇治橋にしばし佇む解夏の僧   由紀子



8月2021
          
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 1314
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

俳誌ひいらぎhttp://www.hiiragi-hp.jp/